ベトナム戦争を写した有名な写真で、爆撃から命からがら、泣きながら裸で逃げる女の子の写真があります。強烈な印象で、一度見たら一生忘れられないものになっています。
最近、それと同じように、何十年も記憶に残りそうな写真を見たので、ここに載せようと思います。
南米ベネズエラ、2016年8月の写真です。極端に物資が不足していて、実勢価格だと、スーパーのカゴ一つで、1ヶ月分の賃金が飛んでしまうくらいの超インフレになっているそうです。社会主義国なので、政府公定価格でたまに物資の販売があると、上のようにものすごい行列になります。行列というか、押し合い圧し合いに見えますね。一晩中並んで撮影時、朝8時半だそうです。空腹と怒号、そして衛生状態も悪いでしょうね。こうやって並んで、小麦粉1袋とか、トイレットペーパー数個とか、パン1斤とかを求めるのだそうです。なくなったらそれで終わりです。
ここ数ヶ月、ベネズエラのことが気になって、海外のニュースサイトを毎日のようにチェックしていました。このブログに詳しく書こうと思って、リンク付きで整理して書こうと思ってたんです。でも、次から次へといろんなことが出てくる。きちんとまとめようとすると、いつまで経っても書けないと気づきましたので、覚えていることをいくつか書き並べてみます。記憶に基づいているので、数字とかは曖昧ですよ。
ーーー
ベネズエラからスペインへの難民申請数が、あのシリアからの申請数を超えた。
ジフテリアとか、予防接種していれば防げる病気で、子供がたくさん死んでいく。
スーパーマーケットの棚はがらがら。
庶民の体重が平均で10キロも減ってしまった。
家はあっても食べるものがないので、多くの人がゴミをあさって命を繋いでいる。
飼い犬や飼い猫も食べられてしまう。
海外の援助団体が食品や医薬品を送ろうとしても、途中に入る役人が多額の賄賂を要求するので、ほとんど送れない。
病院の病室の設備がひどすぎる。照明も扇風機もない病室の写真を見ました。カリブ海沿岸の国ですよ。
公立病院の予算が5年前に比べて数百分の一に減らされた。
医薬品や手術に必要な物品が病院にないので、重症患者は闇市場でそれらを入手して来ないと手術してもらえない。大変高額であり、一握りの人しか手に入れることができない。
幸運にもそれらが揃ったとしても、病院内で強盗に奪われてしまうことがある。
幸運にも手術ができたとしても、病院の水道設備に起因する細菌感染で死亡してしまうことがある。
新生児と母親の死亡率が近年何倍にもなっている。そのことを公表した厚生大臣が更迭された。
ーーーーー
リトモス51にシャキーラの曲、「ラ ビシクレタ」という曲がありました。あの曲の公式動画で、背景に描かれているのが、シャキーラの出身地コロンビアのバランキージャという町のあたりです。そこから、直線距離で約300キロ東へ行くと、もう、ベネズエラです。日本で言えば、東京名古屋間の距離くらいでしょう。
あの曲には、美しい故郷コロンビアが描かれています。ベネズエラはそのすぐ隣の国です。シャキーラの歌う歌詞に「Puedo ser feliz caminando relajada entre la gente 」という部分があります。「私は、人々といっしょにリラックスして歩いていると、それだけで幸せになれるのよ。」という意味なんですが、(そのダンスとは対照的に)シャキーラの穏やかな性格を表している歌詞だなと思って、私は好きです。あと、「なれる」っていうのがいいですね。幸せになろうっていう意志を感じます。ラテンミュージックのポジティブさが出ていると思います。でも、どうでしょう。隣国ベネズエラで、人道危機が進行している。陸路で接しているので、登録されていない難民も街をうろうろしている。こんな状況では、あの歌のイメージを描いてみるのが難しいなと思うんです。
食品も薬品もない。雇用もない。そんな状況で、ベネズエラの一部の女性たちは、家族に仕送りをするため、意を決してコロンビアに入ったと書かれている記事がありました。お金を稼いで物資を購入して持ち帰るのが目的です。でも、不法滞在の彼女たちはマフィアに搾取されても、警察に訴えることもできず、悲しいストーリーがたくさんあるのだと、読みました。
ベネズエラについて、日本のニュースは、GMがベネズエラから撤退とか、反政府デモで死者が出たとか、企業の経済活動に影響することだけを主に報じている気がします。でも今は検索機能もありますし、SNSもあります。Twitterにはベネズエラ在住の日本の方からの報告もありますね。
ラテンダンス、ラテンミュージックに元気をもらった、と私は感じています。何か恩返しができないかなと思っています。ベネズエラの現状のことを書くことも、そのひとつの形になると信じています。
冒頭の写真は、TIME誌の記事で知りました。一見の価値があります。
http://time.com/venezuela-photographers/
今後もベネズエラのことは書いていきたいと思います。
最近、それと同じように、何十年も記憶に残りそうな写真を見たので、ここに載せようと思います。
南米ベネズエラ、2016年8月の写真です。極端に物資が不足していて、実勢価格だと、スーパーのカゴ一つで、1ヶ月分の賃金が飛んでしまうくらいの超インフレになっているそうです。社会主義国なので、政府公定価格でたまに物資の販売があると、上のようにものすごい行列になります。行列というか、押し合い圧し合いに見えますね。一晩中並んで撮影時、朝8時半だそうです。空腹と怒号、そして衛生状態も悪いでしょうね。こうやって並んで、小麦粉1袋とか、トイレットペーパー数個とか、パン1斤とかを求めるのだそうです。なくなったらそれで終わりです。
ここ数ヶ月、ベネズエラのことが気になって、海外のニュースサイトを毎日のようにチェックしていました。このブログに詳しく書こうと思って、リンク付きで整理して書こうと思ってたんです。でも、次から次へといろんなことが出てくる。きちんとまとめようとすると、いつまで経っても書けないと気づきましたので、覚えていることをいくつか書き並べてみます。記憶に基づいているので、数字とかは曖昧ですよ。
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ベネズエラからスペインへの難民申請数が、あのシリアからの申請数を超えた。
ジフテリアとか、予防接種していれば防げる病気で、子供がたくさん死んでいく。
スーパーマーケットの棚はがらがら。
庶民の体重が平均で10キロも減ってしまった。
家はあっても食べるものがないので、多くの人がゴミをあさって命を繋いでいる。
飼い犬や飼い猫も食べられてしまう。
海外の援助団体が食品や医薬品を送ろうとしても、途中に入る役人が多額の賄賂を要求するので、ほとんど送れない。
病院の病室の設備がひどすぎる。照明も扇風機もない病室の写真を見ました。カリブ海沿岸の国ですよ。
公立病院の予算が5年前に比べて数百分の一に減らされた。
医薬品や手術に必要な物品が病院にないので、重症患者は闇市場でそれらを入手して来ないと手術してもらえない。大変高額であり、一握りの人しか手に入れることができない。
幸運にもそれらが揃ったとしても、病院内で強盗に奪われてしまうことがある。
幸運にも手術ができたとしても、病院の水道設備に起因する細菌感染で死亡してしまうことがある。
新生児と母親の死亡率が近年何倍にもなっている。そのことを公表した厚生大臣が更迭された。
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リトモス51にシャキーラの曲、「ラ ビシクレタ」という曲がありました。あの曲の公式動画で、背景に描かれているのが、シャキーラの出身地コロンビアのバランキージャという町のあたりです。そこから、直線距離で約300キロ東へ行くと、もう、ベネズエラです。日本で言えば、東京名古屋間の距離くらいでしょう。
あの曲には、美しい故郷コロンビアが描かれています。ベネズエラはそのすぐ隣の国です。シャキーラの歌う歌詞に「Puedo ser feliz caminando relajada entre la gente 」という部分があります。「私は、人々といっしょにリラックスして歩いていると、それだけで幸せになれるのよ。」という意味なんですが、(そのダンスとは対照的に)シャキーラの穏やかな性格を表している歌詞だなと思って、私は好きです。あと、「なれる」っていうのがいいですね。幸せになろうっていう意志を感じます。ラテンミュージックのポジティブさが出ていると思います。でも、どうでしょう。隣国ベネズエラで、人道危機が進行している。陸路で接しているので、登録されていない難民も街をうろうろしている。こんな状況では、あの歌のイメージを描いてみるのが難しいなと思うんです。
食品も薬品もない。雇用もない。そんな状況で、ベネズエラの一部の女性たちは、家族に仕送りをするため、意を決してコロンビアに入ったと書かれている記事がありました。お金を稼いで物資を購入して持ち帰るのが目的です。でも、不法滞在の彼女たちはマフィアに搾取されても、警察に訴えることもできず、悲しいストーリーがたくさんあるのだと、読みました。
😢
ベネズエラについて、日本のニュースは、GMがベネズエラから撤退とか、反政府デモで死者が出たとか、企業の経済活動に影響することだけを主に報じている気がします。でも今は検索機能もありますし、SNSもあります。Twitterにはベネズエラ在住の日本の方からの報告もありますね。
ラテンダンス、ラテンミュージックに元気をもらった、と私は感じています。何か恩返しができないかなと思っています。ベネズエラの現状のことを書くことも、そのひとつの形になると信じています。
冒頭の写真は、TIME誌の記事で知りました。一見の価値があります。
http://time.com/venezuela-photographers/
今後もベネズエラのことは書いていきたいと思います。
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