アルゼンチンの国民食「チョリパン」は覚えておいて損はない

3月にブエノスアイレスの国内線用空港、ホルヘ・ニューベリー空港を利用したとき、空港内のフードの不自然な高価さと、あまりにも人工的な空間、そしてそこがフードコートであるための喧騒に嫌気がさして、外に出てみました。目の前は海(正確にはラ・プラタ川、河口幅270キロって限りなく海に近い川です。以下、海、とします)なので、風に当たってすっきりしようと思ったんです。空港から6車線ほどの道路を横断歩道で渡ると、そこは海に面した公園になっています。釣りをする人、空港職員やタクシーの運転手、地元の人が夕涼みをしていました。こういう場所にはやはりあるんですね。軽食スタンドが。 

売っていました。「チョリパン」チョリは、日本でも居酒屋でみかけるチョリソーのチョリでしょう。直径4センチはあるかな、大きなソーセージのこと。パンは、そのものパンですよ。英語だとブレッドでパンじゃないということを習ったときに、がっかりされた方もいるでしょうが、アルゼンチンでは、「パン」通じますよ。チョリパンはホットドッグみたいなものです。アメリカのと違うのは、ソーセージが大きいことと、パンが固めということ、ですね。で、これが200円ほどで売っていて、地元の人がどんどん買っているので、私も買ってみました。スパイスや野菜が5、6種類置いてあって、自由に挟んで食べていいとのこと。

 うまい! 海の前、潮の匂い、地元の人たち、人気店、裏技を見つけたのかという高揚感、いろんな感覚が入り混じっていたこともありますが、確かに美味しいです。これ。 

時は流れて、7月、ブエノスアイレス再訪のとき、夜歩き疲れて、俳優としてのウリセスが公演を行うときに使う劇場街のコリエンテス通り(✨)にある、お肉系のレストランに入りました。でも、あんまりお客が入っていないので心配になってしまいました。 店頭のメニューを見て、2000円くらいのステーキにしようかなと思って入ったのですが、お客があまりいないのと、ステーキを食べている客がいないんです。午後8時半くらいなのに。もしかしたら、外れの店に入ったかなと思って、お財布の紐を締めることにしました。その視点でメニューを眺めてみると、あったんです、チョリパン、29ペソ、290円なり。頼みました。テーブルクロスがかかって、ワインリストに50種以上、シャンパンリストに10種以上載っている、なかなかのクラスのレストランですよ。でもチョリパンがあるんだな。ハウスワインのデカンタを頼んで、日本でラーメン一杯くらいのお値段で、美味しい夕食になりました。挟んであるチョリも日本でファミレスで食べるハンバーグくらいのお肉の量は十分あります。

 チョリパン、軽食としても美味しいですし、レストランで、ちょっと気乗りがしない時の逃げとして、覚えておいて損はないですよ。

(✨)コリエンテス通りを歌った、素敵なタンゴの曲がありますので、ぜひ見ていってください。→こちら

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